プロ野球パ・リーグの埼玉西武ライオンズは9月24日、千葉ロッテマリーンズに12-4で勝利し、2年連続23度目のリーグ優勝を決めました。
若手とベテランが上手に融合し、最高の結果になりましたね。
辻監督の気持ちに若手とベテランの意志が結集されましたね。
開幕前の評価は、決して高いものではありませんでした。
昨年127打点で打点王に輝いた浅村の楽天へのFA移籍。
そしてエース菊池の大リーグメジャーリーグへの挑戦による移籍。
相次ぐ主力の離脱でチーム状況は決して万全ではありませんでした。
そんな前評判を覆し、12球団トップの得点をあげる圧倒的な打力で優勝をたぐり寄せましたね。
今回はその優勝の要因について調べてみたところ、選手の育成やベテランとの融合が非常に上手なことがわかりました。
西武ライオンズ優勝の要因①若手による台頭
今年のライオンズは、エース・四番など、特定の選手に依存しないチーム作りをすすめてきました。
例年、ライオンズは、主力級の選手が他球団へ移籍するなかで、空いたポストに若手選手を起用することが多く、そこから、スター選手が台頭しています。
良い循環がライオンズというチームで行われている証拠ですね。
良い循環ということは、ドラフトなり外国人獲得なりが非常に上手ということになりますよね。
今年は、浅村、菊池以外にも捕手の炭谷銀仁朗が巨人に移籍してしまいました。
2017年オフには、11勝を挙げた野上が同じく巨人へ。
中継ぎの柱だった牧田もメジャーリーグのパドレスに移籍してしまいました。
その前年の2016年オフには絶対的エースだった岸が楽天へ。
ここ数年間で、主力級がライオンズから流出していきました。
そんななか、2019年は森友哉や源田、平、松本といった若手、ニールといった助っ人が見事な活躍をみせましたね。
活躍する選手が毎年変わるようなチームは、長期間強さを発揮する傾向にあるそうです。
一つの柱ではなく、複数の柱で組織を支える戦法ですね。
本塁打を50本打つ選手がいなくなっても、15本打つ選手を4人育てる。
20勝する投手がいなくても8勝する投手または、セットアッパーを複数人育てるなどです。
こうしたチームは、ケガ人がでても影響を受けにくいです。
また、特定の選手の好不調にも左右されないので、チームの成績が安定するようになります。
思い起こせば、2018シーズンの西武は、菊池、多和田、榎田、カスティーヨの4人で48勝を挙げていました。
今シーズンはニール・高橋光成・今井達也・松本航・本田圭佑・十亀剣の6人で46勝です。
チームの勝ち頭がガラリと入れ替わっていますよね。
西武ライオンズ優勝の要因②選手起用
辻監督は、山川、中村には長打力で本塁打を求める一方、走塁などには目をつむり起用していました。
通常、彼らのような大柄な選手をスタメンに2人も置くことはあまりないですよね。
一方で、源田や金子に長打力はありませんが、盗塁や走塁には期待出来ますね。
9月23日時点で、山川は42本、中村は30本の本塁打記録。
盗塁は金子が41、源田は30。
球団トータルでみると、本塁打こそソフトバンクに次いで2位だが、得点(743)、盗塁(133)、打率(.266)はいずれも12球団トップです。
さらにすごいのは、打撃の個人タイトルで首位打者・本塁打・打点・安打・盗塁を西武の選手が独占していることです。
組織全体で目標を達成する姿勢が一貫していますね。
弱点に注目されると人は萎縮しますが、強みに期待してあげると、のびのびと行動できる心理を応用した選手起用法。
選手ひとり一人に主役意識を持たせることで、チームの目標が自分ごと化されていきました。
そこで活躍すれば自信を得て、組織のなかに居場所を見つけることができる。
高いモチベーションが維持できるので、若手育成には最適なやり方です。
弱点は、その後でも勝手に克服する自浄作用が生まれてきます。
西武ライオンズ優勝の要因③ベテラン栗山の存在 広島との違い
ソフトバンクには内川聖一、ジャイアンツには阿部慎之助がいる。
西武でいえば栗山がこれにあたります。
ベテランの栗山の存在は若手にとっては良きお手本になり、たいへん心強い存在になります。
かたや、今年優勝を逃した広島は新井の引退を埋めるベテランがいなかったことが大きな要因かもしれませんね。
セ・パ両リーグはこれから、日本シリーズをかけたクライマックスシリーズ(CS)に突入します。
昨年のCSでは、ソフトバンクに敗れて涙をのんだ西武。
今年は雪辱を果たすのか、頑張って欲しいです。
頑張れライオンズ!
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